最近、法的債務整理手続の依頼を受けた依頼者から、突然ネット銀行の口座が凍結された、文書には警察からの要請で止めた、と書いてあるという相談がありました。

警察からの養成での口座凍結について、最初に簡単に説明しておきます。
ヤミ金融や振り込め詐欺、投資詐欺と行った犯罪に銀行口座が利用されている場合に、警察や弁護士からの申し出で銀行が口座を凍結するという制度があります。私も、この手の事件の依頼者から受任した時は、ほぼ必ず口座凍結要請をかけます。

一方、自分は何もしていないのに、口座が凍結されたという相談を受けることもあります。こういう人の場合、他の人に悪意なく口座利用させている(通帳を送る、ネットバンクのパスワードを教える、等)ことが多く、その人が上記のような犯罪似利用しているというケースです。
ちなみにこのケースでは、犯罪二十歳に利用された口座だけでなく、他の銀行の口座も凍結されるケースがあり、本人が予想だにしなかった不便が生じることがあります。

しかし、今回のケースは、こういったわかりやすい犯罪利用はなさそうでした。事件の依頼の性質上取引履歴が手元にあったので確認しましたが、保険料や債務の支払など、ごく普通に生活口座に利用しており、犯罪の痕跡はありませんでした。
その銀行に問い合わせたところ、別のネット銀行での犯罪利用が確認されたとの通告が警察からあったというような話でした。
しかしその口座、ヤミ金融からお金を借りる時に利用していたが、ヤミ金融に利用を許したりはしていなかったそうで、本人には全く心当たりがなかったとのこと。

ここで考えられるのは、ある人の返済を、直接別の人の貸付の振込にしてしまうことで、ヤミ金融が勝手に犯罪似利用していたという可能性です。
もう少し詳しく説明します。

小口の振込型のヤミ金融は、大抵、個人名義で振込があり、返済も個人名義の口座に行います。たいていの場合、先ほど説明したように、他人名義の口座をヤミ金融が手に入れてそこに振り込ませるのですが、今回はそうではなさそうです。
ちょっと考えると、この構造なら、以下のような方法で、自分の知らないうちに口座を犯罪に利用される可能性があります。
Aさんに2万円貸して10日後に3万円返済させる
Bさんに3万円貸して7日後に4万円返済させるが、この3万円を、Aさんに返済のための口座としてBさんの口座を指定する
Bさんの返済は、ヤミ金融が実際に管理している口座に振り込ませて、その分はすぐに引き出す
ことで、本来ただの借り手だったはずのBさんの口座は犯罪に利用されたことになります。

おそらく今回の被害者も、このBさんになってしまったのでしょう。

ヤミ金融からお金を借りた被害者なのに、加害者扱いされて大事な銀行口座が使えなくなる、最悪の場合警察から犯罪者扱いされるかもしれないということです。
くれぐれもヤミ金融には手を出さない。手を出したらすぐに弁護士に相談して早く縁を切る。これが大事です。