疑わしきは罰せず~刑事裁判の絶対的ルール1~

「疑わしきは罰せず」という言葉は、一度はお聞きになったことがあると思います。
これは要するに、「間違いなくクロ」という確信がない限り、無罪にしなければならないという刑事裁判のルールです。

刑事裁判で問題となっているのは、有罪を主張する検察官と無罪を主張する弁護人の言い分にどちらが説得力があるかではありません。弁護人の言い分に少しでも可能性があると感じるなら、無罪としなければならないのです。

残念ながら、日本では、職業裁判官がこのルールをないがしろにし続けた結果、多くの冤罪が生まれています。だからこそ裁判員裁判の制度が採用されたのだと私は思っています。

黙秘権~刑事裁判の絶対的ルール2~

黙秘権という言葉も、一度は聞いたことがあるでしょう。
これは、黙っていても不利益に扱ってはいけないというルールです。

最初から最後まで黙っていてもいいし、言いたいことだけいい、言いたくないことは言わなくてもよいというルールです。
そして、仮に被告人が言いたいことだけ言ったとしても、「都合の悪いことを隠しているから怪しい」と不利に解釈してはいけないのです。

責任能力

「責任能力がない」というのは、専門的には、事理弁識能力と行動制御能力の一方または両方を欠いた状態を言います。

もう少し普通の日本語で言うと、ちゃんと物事の理解ができて、かつ、その理解に基づいて行動できてはじめて「責任能力がある」といえるので、どちらがかけても、刑事責任は問えず、無罪ですよ、ということです。

こういう話をすると、重度の精神疾患を思い浮かべる方が多いのではないかと思いますが、病気で意識不明になったとか、物心がつかないような幼児なども、責任能力がないという範疇に入ります。

センセーショナルな事件ではよく、「人を殺しておいて、病気だからと罪を問われないのはおかしい」という意見を目にします。素朴な感情として分からなくはないですが、本人にも避けようがない状況で刑罰を課すのは酷ですし、刑務所に入れて通常の人向けの矯正教育をしたところで更生の見込みもありません。

例えば、2歳の子どもが皿を割ったとして、法的には器物損壊罪です。でも、その子に刑罰を課しますか?
「責任能力がない人」というのは、事件のときに、それと同レベルの人なのです。

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