民事裁判

裁判というのは、事実を証拠によって認定した上で、その事実を法令に当てはめて結論を導く手続です。なんてことを言っても、全くイメージできませんよね。

裁判を知るためには、実際の事件で考えるのが一番です。ここでは、比較的単純な貸金請求の事件を通じ、手続の流れを説明してみようと思います。

ここでは、弁護士の考えることや、実際の手続の流れについて説明します。あなたが抱えているトラブルについて、この流れのような整理ができるでしょうか?
 
もし、とてもできない、あるいは、できるかもしれないけど自信がないなら・・・弁護士に依頼することをお勧めします。
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Aさんからの相談

平成23年3月3日、Aさんは、弁護士のところに、以下のような内容で相談に来ました。

「去年の5月10日に、個人事業者のBさんに200万円を貸したのですが、返してくれないので、裁判をするしかないと思い、相談に来ました。
私とBさんとは、小学校の同級生で、月に1回くらいは一緒にお酒を飲みに行ったりもしていました。Bさんはちょっと乱暴なところもあり、酔っ払った勢いで殴られ、怪我をさせられたこともあったのですが、楽しいので、一緒に遊びに出ていました。

ある日、Bさんは私に、「事業不振で運転資金がない。7月には、大きな仕事の代金が入るから返せると思うので、それまで何とか貸してもらえないか」と、土下座して懇願するので、仕方なく銀行からお金を下ろして、Bさんの会社に持って行ってやったんです。このとおり、借用書もちゃんと書いてもらいました。本人の直筆です。

なのに、いまだにお金を返してくれないのです。いくら言っても、もうちょっと待ってくれの一点張りで、今では仲も悪くなってしまい、飲みに行くこともなくなってしまいました。
何とかお金を返してもらいたいんです。」

弁護士の考えること

このような相談を受けた場合、弁護士は、裁判になることを想定して、以下のようなことを考えます。

裁判に直接問題になる事実の抽出
裁判をする上でまず必要なことは、裁判で直接に問題になる事実を抽出することです。
裁判では、法律にあてはめられる事実が何か、という点が一番大事です。そのため、事実を①法律が要求している事実(主要事実)②直接関係ない事実に分けるのです。

貸金の請求をする上で法律が要求しているのは、BさんがAさんからお金を受け取ったこと(金銭授受)と、そのお金を返す約束をしたこと(返還約束)の2点です。だからこの2点が、一番重要な事実ということになります。

仲がよかったのにこの件で険悪になってしまったとか、借りるときに土下座して頼んだといった話は、気持ちの問題としては重要だと思うのですが、直接関係ない話ですね。このあたりの話を変に裁判で詳しく主張すると、裁判が混乱します。

証明責任のルール
裁判で問題にすべき事実がはっきりしたところで、次に考えなければいけないのは、事実をどうやって証明するかです。

ここで覚えておかない裁判のルールに、「証明責任」があります。一般の人には、「立証責任」といった方が分かりやすいかもしれません。これは、「真実がどちらか分からない場合には、証明責任のある方が負ける」というルールです。

裁判所は、「どっちが勝ちか決められません」と言ったのでは、問題はいつまでたっても解決しません。でも、いくらやっても、どっちの言っていることが正しいかわからないこと場合もあります。
そこで、どちらか分からない場合には、証明責任を負っているほうが負け、ということになるわけです。

この事例では、金銭授受、返還約束のいずれも、Aさんに証明責任があります。だから、ちゃんと証明しないと負けてしまうのです。

なお、民事裁判では、自分に不利な事実を認めたら(自白)、証明しなくてもよくなります。極端な話、実際には間違いだとしても、真実して取り扱うということになります。

証拠の検討
それでは、金銭授受と返還約束の証拠があるかを検討してみましょう。

まず、返還約束については、「借りた」と書いた借用書があるので、比較的簡単です。問題は、「金銭授受」が証明できるかです。

「借用書」があるんだから、それで十分じゃないの?と思われるかもしれませんが、実際には微妙で、「返還約束」の証明に過ぎない、と判断される場合もあります。
だから、振込でお金を渡したなら、振込の記録も証拠として別途提出するのが普通です。今回の場合、手渡しでお金を渡しているようですので、渡したことを直接証明する証拠は残念ながらないでしょう。

間接事実って何?
では、Aさんは、請求をあきらめなければいけないのでしょうか?そんなことはありません。

お金を渡したとしたら、おそらくとっている行動と言うのがありますよね。そう、渡すお金をどうやって準備したかです。

今回のケースでは、銀行から預金を下ろして渡しているようなので、5月10日に200万円の払戻の記録がある預金通帳の写しを準備します。このようなまとまったお金を払い戻した事実があり、かつ、5月10日付の借用書があれば、さすがに「このお金は貸付の資金だろう」と思いますよね。

このような「お金を貸した」ことに対して、「お金を貸すための資金を準備した」ことのように、主要事実を推測させる事実を「間接事実」といいます。直接証明する証拠がない場合には、このような間接事実を積み上げていくことになります。

まとめ~事実の分類と証拠の準備~
このように、直接の根拠になる主要事実、主要事実を立証する手助けになる間接事実、そして全く関係ない事実に分類整理するのが、裁判の準備の第一歩です。これにより、裁判でどんなことに重点を置かなければいけないか、どんな証拠を提出しなければならないかが明確になります。

そうすれば、複雑な事例でも、大きなポイントとそれに関する証拠が何かを明確にできるわけです。

今回は、もっとも単純な貸金訴訟を例に挙げましたが、いかがでしょうか?それでも、結構考えることが多いと驚かれたのではないですか?実際の事例では、もっと複雑な整理が必要なことがほとんどです。

追伸~「本人が言っていること」は、主張?証拠?~
少し事例から話がずれますが、裁判を素人に分かりにくくするルールの1つに、主張と整理の区別があります。

「訴訟当事者が言っていること」は、主張でしょうか?証拠でしょうか?

正解は、「場面によって異なる」です。

主張というのは当事者の言い分ですから、当然、本人の言っていることです。しかし、「本人がこう言っている」というのは、その言い分が正しいのだろうと推測させる証拠ではありますよね。決定的とは言いがたいケースが多いにしても。

したがって、裁判では、当事者の言い分は、「主張」か「証拠」かを明確に分けて提出することになっています。同じようなことを書いているようでも、それぞれに適した書き方があるわけです。

ただ、当事者の言い分は、裁判所も話半分で聞きますので、証拠としての価値はさほど高くありません。したがって、当事者の言い分以外に証拠のない事件というのは、立証責任がある側にとって不利なケースが多いです。 

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