新規相談の段階から事務員が対応し、弁護士とほとんど話す機会がない事務所は怪しい事務所の可能性が高いです。

弁護士も司法書士も、無資格者により業務の一部を行わせることができますが、あくまでも事務作業の部分に限られます。法的判断を伴う説明など業務の核心部分は有資格者(弁護士、司法書士)が行う必要があるのです。この核心部分を事務員が行ってしまうと、立派な弁護士法違反(非弁行為)、司法書士法違反(非司行為)です。

ところが、怪しい事務所の場合、弁護士や司法書士の数からするとキャパオーバーになるような、圧倒的に大量の事件を受任しています。このため、依頼者との対応も原則事務員が行うケースがほとんどです。そういう事務所の被害に遭った人に確認すると、電話も含め、1度でも有資格者と話をしたことがあるという人はまだいい方で、契約書や合意書といった文書の上で名前を見たことしかないという方も少なくないようです。
こういった運用をするために、普通の事務所に比べ、弁護士1人あたりの事務員数が異常に多いのも特徴の1つです。執筆日(2024年10月)現在、私は、弁護士法違反を取り締まる日弁連の部署(非弁・業際対策本部)に所属していますが、この事務員の人数という特徴は外部からも比較的分かりやすいので、非弁提携を疑うきっかけになるポイントの1つだというのが共通認識です。
資格を持たない人が相談を聞いているのですから、法律的な知識も不十分で、最も単純な定型処理から一歩外れると、まともな回答ができない可能性が高いのも当然でしょう。

事務員に相談対応まで任せる事務所は、違法なだけではありません。業務の質も低いのです。

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