特に理由もなく、債権者の一部だけ債務整理の対象にしようとする事務所は注意が必要です。
最近、他の事務所で任意整理したけど、やっぱり支払えないからあらためて相談したい、という新規相談が結構あります。
そういう相談でよく見かけるのが、前の任意整理では、債権者のごく一部のみ受任していたというケースです。
自己破産や個人再生とは違い、一部の債権者を対象から外すこと自体は法律上禁止されていません。したがって、対象から除外したい理由がある場合、一部の債権者について受任の対象から外すことはあり得ます。私も、例えば、親族や友人からの借入は受任しませんし、自動車のクレジット等は、車が必要ならそのまま払ってもらうこともあります。ただしあくまでも、金融業者は原則として全て受任することを原則としつつ、除外したい具体的な事情がある債権者を例外的に対象外とする、という手順です。
しかし、こういった相談では、整理の対象から除外するべき特別な理由が見当たらないにも関わらず除外されています。しかも、除外された債権者数、総債務額が無視できないくらい多く、酷い場合には受任しなかった債券の方が圧倒的に多かったりします。この結果、それらをそのまま支払い続けたら確実に行き詰まることが受任段階で予想できるのです。
酷いものでは、800万円ある債務のうち200万円だけ債務整理の対象にし、後の600万円は受任せずそのまま今まで通り払う、等というケースもありました。
特定の業者について債務整理を避ける特別な理由がないのに一部の債権者を除外する事務所は怪しい場合がほとんどだと思います。