いわゆるまんだらけ事件で、被疑者が逮捕されたようですね。

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20140819-00000924-fnn-soci

まんだらけの行動は色々と物議を醸しましたし、名誉毀損、プライバシー侵害の観点からすると問題があるもので、逆に言えば、リスクも大きい方法でした。とはいえ、結果的には、警察が動かざるを得ず、その結果として、早期の逮捕に至ったという面も否定できません。
もっとも、あまりにも犯人が不用意だったために、この事件に限っては、こんな大騒ぎにならなくとも、早晩捕まった気はしますが・・・。

今回はいくつか、この事件から見える弁護士の常識をかいてみたいと思います。

①警察は、全ての事件で親権に捜査するわけではない。
先ほど海田、「警察が動かざるを得ず」という話です。
世の中の事件は極めて多く、軽重様々です。警察も、全ての事件をまじめに調べるだけのマンパワーがあるわけではありません。したがって、どうしても捜査の優先順位というのがあります。
殺人や重度の障害など、生命身体に関わる事件はかなり力を入れて調べますし、最近では性犯罪についてもかなり熱心です。
また、一般の人からすると以外かもしれませんが、選挙の時期になると、警察の捜査は、選挙の監視のために一旦停止するほど、選挙違反にはマンパワーを割きます。告訴に関する打ち合わせを警察としていても、「選挙が終るまで待ってもらえますか」といったことが普通に出てくるくらいです。
まんだらけ事件は、実際に公表するかどうかはともかくとして、あれだけ話題になると、警察は威信にかけても熱心に捜査せざるを得なかったため、優先順位はどうしても上がったでしょう。

②売却の時に足がつく
中古品を売った方はお分かりかと思いますが、中古品を売却する時、身分証の提示や住所氏名の記入を求められるはずです。これは、盗品はそのままで利用されることばかりではなく、売却してお金にするケースが圧倒的に多いからです。
特に常習犯は、たいていの場合、お金が欲しいわけですから、何度も繰り返し売却をすることになります。
当然、警察は、盗品リストからリサイクルショップなどに紹介して、売却されていないかを確認して回ります。今回のように、近隣(どころか同じビルだったようですが)で売却すると、簡単に足がつきます。
じゃあ、遠くで売ればいいんでしょ、と思われた意地悪な方もいるかも知れませんが、警察は、文書を送って確認するだけですから、一般の人が思っているよりも広範囲に照会していると思った方がいいでしょう。

③中古品というのは意外と安い
例えば古本や古着などを売却したことがある方はお分かりだと思いますが、リサイクルショップなどの売却価格というのは、相当安いのです。今回も、25万円で売られていた品は、6万4000円で買い取られた、という話のようですね。
正直なところ、これはむしろ相当高い部類です。プレミアがついている商品で、主力商品がかなり絞られているタイプのショップだったと思われます。
何でも扱っているような大手のリサイクルショップではこうはいかなかったでしょう。

他にも色々とありますが、忘れてはいけないのは、こういった犯罪でお金を稼ごう等すれば、何度も繰り返さなければいけません。繰り返せば、当然ですが、捕まる可能性は上がります。同じ店を頻繁に使えば、捕まる可能性は加速度的に上がります。

そして、さらに忘れてはいけないのは、何回見つからずにすんでも、1度見つかれば終わりだということです。
いわば、捕まる確率が低くとも、ロシアンルーレットと同じで、いつかは実弾に当たってしまいます。