全国で,何度目だよという緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置が発令され、また飲食店の休業要請、時短要請が広島県も、「独自の措置」として、8月4日水曜日から時短要請が始まります。

私は、基本的には大人しく従う必要などないと考えている立場です。あまり詳しく書くことは避けますが、一言で言うと、因果関係についての十分な説明もないまま漫然と職業を取り上げるに等しい休業要請、時短要請、飲酒提供制限を掲げるのが無茶苦茶すぎると考えているからです。

飲食店へのペナルティとしては、過料の制裁があり、援助としては、給付金の支給があります。

過料について、飲食店の方と話していても、意外と正確な内容を把握しておられない方が多いという印象を受けたので、あらためて法律の枠組を書いておきたいと思います。

「過料」というのは、行政が命じることが出来る罰金です。法律上「罰金」というのは、裁判所が判決で命じることが出来る経時的な金銭制裁を指しますので、それと区別するために「過料」という別の名前になっています。厳格な裁判手続によって課すわけではないので、前科にはなりませんし、一般論としては、金額も罰金よりは安めの設定のはずです(過料の金額を確認するために条文を当ったことはありませんが)。

行政からの指示には、「要請」と「命令」があります。どちらも、まずは要請を出し、正当な理由なく応じない場合にで特に必要があると認めるべき時に限って命令が出せることになっています。

要請、命令は、緊急事態宣言と蔓延防止等重点措置の場合に出すことが出来ますが、緊急事態宣言では、休業命令まで出せるのに対し、蔓延防止等重点措置では、時短命令までしか出せません(特措法31条の6,45条の比較)。

そして、命令に違反した場合、緊急事態宣言では30万円以下の(79条)、蔓延防止等重点措置では20万円以下の過料が(80条1号)が課されることになっています。

つまり、緊急事態宣言、蔓延防止措置のいずれにおいても、
①要請に従わない→②禁止命令を出す③それも無視して営業を続ける
という場合に限って、過料の問題になってくるのです。

私が確認した限り、広島では6月15日に休業命令を出したようですが、20日には緊急事態宣言が解除されましたので、アリバイ的に出したとしか思えない内容です。
過料の制裁を科す気など毛頭なかったでしょう。
追記:実際は、1月下旬に過料の手続きをとったという記事を見つけました。お詫びして訂正します。なぜか県外のローカルマスコミばかり取り上げている(検索順位からして)感じなのですが・・・。

しかし、県の職員は、このような命令を出す以前から「休業しろ、30万円取るぞ。」と言った脅しを飲食店にかけていたようであり(知合いの飲食店から聞いた話です)、法的なプロセスを完全に無視しています。

なお、今広島県がやっている「独自要請」は、そもそも、要請自体に法的な根拠がありません。まして、命令など出すことが出来ないのです。
つまり、休業したら給付金がもらえるだけで、ペナルティを課すことは出来ない制度になっています。この給付金は1日2,3万円というレベルのようで、仕事を奪うのにはふざけるなというレベルだと思います。
私は、従わないのは当然だと思っていますし、行政の脅しに屈せず営業した飲食店に客が集まるのを止める筋合いはない(実際、開けている店は普段以上に繁盛しているところが多いようです)とも思います。