起訴状から考えること

状況

刑事裁判では、本人の本籍、住所、生年月日、公訴事実(裁判の対象とする事実)、罪名および罰条程度が記載された起訴状が最初に手に入る唯一の書類です。以下のような文章をもらったとき、被告人や事件の背景について、どのように想像するでしょうか?

起訴状

平成23年3月15日
広島市中区八丁堀2番31号
XX XX
無職
昭和48年5月24日生

公訴事実

被告人は、平成23年3月4日午前7時55分ころ、通行中のAに対し、後ろから肩をつかむなどの暴行を加え、自らのほうを振り返らせた上で、強いて左胸部を鷲掴みし、持って強いてわいせつな行為をしたものである。

罪名および罰条

強制わいせつ 刑法第176条

弁護士の考えること

この起訴状を見たとき、まず最初に目を引くのが、「強制わいせつ」という性犯罪であるにもかかわらず、犯行時刻が朝、それも、すでに明るくなって夜の延長とはいえない時間帯であることです。そして、さらに、被害者は通行中の人。この2つの事実からすると、片思いだった知人友人に手を出したとか、酔った勢いで犯行に及んだ可能性は低いでしょう。朝っぱらから見知らぬ人に手を出したんだな、と想像できます。

さらに、起訴日と犯行日を確認すると、11日しか差がありません。そうすると、犯行後すぐに逮捕され、勾留されて勾留延長もなく起訴されたことになります。つまり、現行犯逮捕で、取調べも順調に進んだことが推測できます。

さらに、昭和48年生まれ(犯行当時37歳)で無職。一概には言えませんが、生活保護を受けている可能性もあるのではないかということも考えます。

なお、強制わいせつなどの性犯罪と放火は、精神疾患の介在が多い犯罪類型です。

以上を総合すると・・・。被告人は、精神疾患を有している可能性が高いが、捜査機関は精神鑑定の必要性を感じなかったと思われるので、重度のうつ病や統合失調症の可能性は低いが、仕事ができない程度の病状である可能性は十分あるので、責任能力に関しては慎重に判断が必要である、と考えます。

このようなことを考えた上で事件を受任すると、起訴状を見た段階で、責任能力が争点となりうるという心構えを持って、本人と接見(面会)したり、記録を読んだりできるわけです。

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