最近受任した債務整理の事件で、立て続けに東京の広告宣伝で債務整理の事件を集める弁護士法人、司法書士法人の案件が目についたので、注意喚起も含め、ブログにさせて頂くことにしました。
私のところに相談に来る前に、東京の宣伝系(他に支店があるかまでは調べていません。つまり、誰でも全国展開をしているのを知っているようなアディーレとかベリーベストではないということです。)の債務整理ばかりやっていると思われる弁護士法人、司法書士法人が任意整理で受任しており、そこそこまとまった金額を受領していました。
ところが、事情を伺ってみると…借入も新しく利息制限法での減額は絶対に期待できない案件で、しかも、負債総額は一見して任意整理での返済は不可能な額でした。念のため本人に確認しましたが、同様の借入内容を申告したとのことです。
にもかかわらず、いずれの事案でも、任意整理で、しかも、総債権者のごく一部のみを受任していたのです。
こんな債務整理を受任したところで、弁護士費用がかかるだけで、何の解決にもなりません。放置された債権だけでも、支払を続けるのはほぼ不可能という額です。結局、その後、個人再生や破産など、抜本的に債務がカットできるタイプの債務整理を再度行わざるを得ないのです。
しかも、いずれの事務所も、面談をしていませんでした。日弁連も日司連も、債務整理事件に関しては面談義務を課していますが、打ち合わせは全て事務員で、電話での会話さえ弁護士としたかどうか覚えていない(していないとも言い切れないが、少なくとも事案の説明などを具体的に聞いたことはなさそうでした。という状態です。
現在、過払の案件はほとんどありませんので、このあたりの事務所は生き残れないのではないかと思っていましたが、まさかこのような依頼者殺しとしかいいようのない有害な受任をしていたとは。半年も経たないうちに2件、しかも別の事務所の被害に遭っていたのは、衝撃でした。
私の方で、抗議し返金を求めたところ、いずれの業者も悪いことはしていないと言いながら返金するという、悪徳商法業者がよくやる手口(1件は司法書士法人と弁護士法人がリレーしている案件で、一方は返金拒否でした)。文句を言ってくる人だけ返金していればことは大きくならず、他の人から儲かるからやっていける、という典型的な客殺し商法です。
抜本的解決にはならないものの、依頼者の利益を考えると、私もここで手を打つほかありません。
それにしても、我が業界もここまで墜ちたかと情けなくなりました。