道路と所有権

一昨日のニュースになりますが、現職公務員で司法書士簡裁代理研修(3年間講師をやってました)の教え子がこのようなニュースをFBに投稿していました。
自宅前の道路に大量の植木鉢やごみ箱 70代夫婦逮捕(http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20151124-00000021-ann-soci)
※現在は期間経過によりリンク切れ

共有とはいえ所有権があるから置くのは自由だ、というのがこの人の主張のようですが・・・。この土地は道路のようですから、色々と法規制があるのです。

道路というのは実は結構ややこしく、道路法、建築基準法、都市計画法 、土地区画整理法 、都市再開発法 、新都市基盤整備法など、色々な法律に定めがあります。そして、一口に「道路」と言っても、法律によって内容というか範囲が違うんですね・・・。
今回は、道路法、建築基準法上の道路、そして今回逮捕されたという往来妨害罪について、説明したいと思います。

まず道路法というのは文字通り、道路整備を念頭に置いた法律です。
道路は、安全かつ円滑に通れないと目的を達することができません。したがって、道路法上道路として指定された土地は、所有者が誰であろうと、抵当権設定と所有権以外の私権の行使が出来ないとされています。
要するに自分のものであっても、自由に使うことは出来ないということです。

建築基準法はお分かりと思いますが、安全な住宅を建築する上でのルールを定めた法律ですね。
安全な住宅というのは構造ももちろん重要ですが、万一の火事の際に消防車が入れる等の必要がありますから、ある程度の幅の道幅を確保する必要があります。そこで、4mの道路に接していなければいけません。
この道路は、道路法上の道路である必要はありませんが、道路法や他の法律によっても道路とされない場合、建築基準法上は道路として扱う指定を受ける必要があります。
そして、この指定を受けると、その道路には建築物を建ててはいけないなどの制限が生じます。

ところで、本件は、往来妨害罪で逮捕されたとのことです。往来妨害罪は、陸路や水路、橋を損壊したり閉塞したりして往来を妨害した場合に適用される罪です。ここでの陸路には明文の明確な定義はありませんが、およそ社会通念上の道路一般を指すとされており、自己所有の土地で会っても犯罪は成立するという点には最高裁の判例があります。
少なくとも、道路法上の道路には往来妨害罪が成立することは間違いないでしょう。
ここまで書くとお分かりかと思いますが、この被疑者が言っている、「自分の土地だから置いてもいい」というのは、何の理由にもならないことになりますね。

ところでこの法律によって道路の取扱が異なるという点で、思わぬトラブルが生じることがあります。これは、道路法上の道路ではないが建築基準法上の道路ではあるような土地が、旗竿地などにあるケースなのですが・・・。この点は、また次回にでも書きたいと思います。

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