非弁提携と直接勧誘

こんな記事が出ていました。

詐欺被害者に違法勧誘DM 「事務員任せ」弁護士処分へ

事務員任せという申し開き?をしているとのことですが・・・。法律事務所の事務員が、詐欺被害者の住所など知っているわけはありません。明らかに、詐欺業者に取り込まれて、小遣いをもらいつつ自分名義でDMを送ることを承諾したのでしょう。
この弁護士は、2009年にも業務停止の処分を受けており、この時も非弁提携で名義貸しをしたということですから、間違いないでしょうね。

そもそも、日本の弁護士は、個別の事件について直接勧誘することは、品位がないということで原則として禁止されています。アメリカのAmbulanceChaser(交通事故の依頼を取るために、救急車を追いかけて行って病院に行き、営業をかける弁護士のこと)を日本でやると、懲戒になるわけです。
ここまで極端な場合でなくとも、あなた、被害者でしょう?私に依頼しませんか?という勧誘をすることは、たとえDMであっても許されないわけです。

数年前に、なにか困ったことがあるの?と道端で泣いている人に話しかけている法律事務所のCMがありましたが、内部では、あれは懲戒なんじゃないか?と言われていました。

もちろん、直接勧誘が当事者にとっても明らかにメリットが有る場合もないではなく、その場合には、弁護士会の許可をとったうえで勧誘することが許されています。私も実は、許可をとって個別勧誘をしたことがあります。
以前九州で、ヤミ金融が、被害者(借りた人)のリストと1000万円単位のお金を持った状態で検挙されたことがありました。こういう被害者は全国に散らばっておりかつ多数なので、担当検事から地元の弁護士へ、地元の弁護士から全国の消費者問題を取り扱う弁護士へ、ということで、各被害者に電話で直接連絡を取り、費用後払いで依頼を受ける、という対応をとったことがありました。こういった、明らかに依頼者にとってもメリットが有るだろう(こちらから連絡しなければ泣き寝入りでした)というケースでは、例外的に個別勧誘が許され、そういうケースかどうかを弁護士会に判断してもらう、という構造になっています。

もちろん、取り込まれて詐欺の片棒を担いだ事自体の責任のほうがずっと重いわけですが、やり方そのものにも問題があります。

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