今回は、「森河良司(もりかわりょうじ)」という広島の地場ヤミ金融にご注意ください、ということを広く注意喚起するための記事です。
私自身、新聞などで加害者の氏名を公表することには否定的なのですが、後で説明するとおり、名前での検索でどういう人物なのかを分かってもらう必要があると思い、あえてふりがな付の実名で記事を書かせていただきます。

ヤミ金融とは

私は、元々消費者問題をライフワークとして弁護士をしていますが、20年ほど前のヤミ金融が全国的に問題になっていた頃、「広島県ヤミ金融対策協議会」という組織の事務局長でした。

その関係でヤミ金融に関する事件が多かったのですが、今回の話題は、全国的に話題になった県外から携帯電話と振込で貸し付けるタイプのものではなく(090金融などといわれるもの)、昔からある地場のヤミ金融のお話しです。

ヤミ金融は、刑事罰を受けるような高利での貸付を行っている業者全般をいいますが、ヤミ金融にもいくつか種類があるのですが、地場のヤミ金融は、恐らく皆さんも見慣れた響きであろう「トイチ」(10日で1割)とか、「ツキイチ」(月に1割)などで貸し付けるタイプのヤミ金融です。地場ですので、口コミで貸付相手を探し、手渡し、利息の全く書いていない借用書を取り、高金利であることの足跡を一切残さない形で貸付を行います。相手は口コミで探しますので、被害者(借りた人)が紹介を繰り返すので、同じ人から借りていたり、お互いに保証人になっていたりすることも少なくありません。

森河も、そんな地場のヤミ金融の中の1人でした。手広くやっていたようで、当時受任した依頼者で、必ずしも依頼者同士が繋がっていないケースでも、名前を見かける人物でした。当時、偽名も使っていましたが、なぜか森河という本名も私の依頼者はみんな知っていました。

まさかの取立の再開

何でこんな話を急にしたかというと・・・。複数、昔の依頼者から相談を受けたからです。
といっても、「また借りてしまった」という相談ではありません。実はこのパターンはそこそこあり、私は2度目のヤミ金融からの借入れについてはお断りすることにしているのですが・・・。

何と、このヤミ金融、昔の契約書を持ち出して「金を返せ」とあちこちに請求に行っているようなのです。どのくらい昔かというと、私が依頼を受けて通知を出したのが2009年~2010年でした。
通常ヤミ金融の事件というのは、本人達にもやり過ぎると捕まるという自覚がありますので、我々が受任すると、すぐに手を引きます。地場の場合、090金融に比べると多少やりとりをしなければいけないケースもありますが、どちらにしても短期決戦です。

実はこの森河、理由はよく分かりませんが、服役していたようで・・・(依頼者情報。ネットによると2011年に交通事故関連で逮捕されたという記事がヒットするのですが、それで長期の服役は考えにくいので、他に何かあったのか、そもそも服役という情報が誤りなのか。いずれにしてもしばらくなりを潜めていたことは間違いないのですが)。最近になって出所したらしく、突然、過去の借用書を持ち出して取立に回っているようなのです。厳密に言えば債権譲渡をしたといって、別の人物が表に出たりもしているようですが・・・。恐らく、完全に食い詰めた状態で、新たなシノギがなく苦し紛れの行動に出ていると推測します。

取立に応じる必要はない

前にも何度か書いていますが、年利109.5%(トイチはもちろん月一でも超えます)は犯罪であり、受け取った元金の金額も含めて一切返済する必要がありません。
また、通常の債務でも、貸金業者の時効は5年で、完全に経過しています。

なぜ実名で記事を書いたか

とはいえ、(組関係かどうかまで私は分かりませんが)、かつて借りていた人は恐怖心もあってお金を支払っていたはずで、10年前のヤミ金融が突然取立を再開したら、気が気ではないでしょう。そういう方に情報提供しなければならないという思い、そして、他の弁護士が相談を受けた際、役に立ってほしいと思いで情報発信する方法を考えた結果、名前で検索してもらうしかないという結論に達しました。

複数の依頼者から同時期に同様の連絡を受けたところをみると、森河は過去に貸して返済未了の人物に対して手当たり次第に請求を繰り返していると予想されます。当時の段階で弁護士に依頼しておよそ回収可能性がなくなった者に対してもです。
そして、依頼者によって、警察の対応はまちまちでした。しっかり対応してくれる場合もそうでない場合もあるかもしれません。とはいえ、被害相談が増えれば、警察としても取り上げざるを得ないでしょう。
つまり、このような暴走を止めるためには、広く情報を発信する必要があると思ったのです。