今日、大沢北嶋夫妻の子どもの親子関係不存在確認の訴訟で、不存在が認められた、という報道がありました。
※ 以下の内容は、報道を前提にしています。
http://www.sankei.com/affairs/news/151119/afr1511190022-n1.html
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20151119-00000048-jnn-soci
最初は、上の方の報道で結果だけ見ていたので、あれ?最高裁判決は?と思ったのが正直なところです。
前に、最高裁判決についてのコラムを2つほど書いたので載せておきます。長文ですがよければどうぞ。
https://hiroshima-lawyer.com/column/20140718/
https://hiroshima-lawyer.com/column/20140721/
さて、重複しても仕方がないので、結論だけ書きますが、
①夫婦の間に生まれた子は、他人の子であっても、1年以内の夫による嫡出否認の訴えによらない限り、親子関係は否定することはできない。
②物理的に性交渉があり得ないケースでは親子関係不存在確認の訴えができる。
ということです。
そして大沢樹生さんのケースですが、まさに、1年を過ぎてからの提訴だったので、なぜ?と思ったわけですが・・・。
私が書くまでもなくYahoo!の方のリンクには書いてありますが、この子は、結婚してから200日目に生まれた子どもだったようです。
①の「夫婦の間に生まれた子」というのは、厳密には、「婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。」と規定されています。
要するに、婚姻関係がある間に性交渉して生まれたのが普通はほぼ間違いないだろうと思われる子どもはとりあえず夫婦の子どもとして取り扱おう、そうでない場合は、自分の子どもじゃないと夫側が感づくはずだから、1年以内に否定させよう、後から言っても子どもが可哀想だからという制度設計なのです。
そして、200日を経過、と言うことは、201日目の子どもから嫡出推定ということになります。問題の子どもは、200日目ちょうどという期限ギリギリに生まれた子どもだったので、嫡出否認ではなく、親子関係不存在確認の訴えができる、という話だったわけです。
それにしても、両当事者は判決日に出頭しなかったと毎回書く報道・・・。報道してもらいたい弁護団事件でもない限り、判決日は、誰も出頭しませんよ・・・。